4か月掛けてSDR200をフルレストアする動画@シンガポール

シンガポールのLee Shau Chingさんによる粗大ごみSDR200の再生記録動画です。

パッと見はそんなに酷くもなさそうですが、アップで詳細を見て行くと中々に手強い状態です。

2台あるんですね。
日本人が匙を投げたような奴が輸出されていくのでしょうか?
両方ともいい感じに粗大ごみです。

フューエルタンクの錆落しには重曹と酢を使うようです。
その前にはペイント総剥離されています。

弱い酸でゆっくりじっくり錆を落とすのが良い方法だと聞いたことがあるので、私も酢(酢酸)をタンクに投入しようと考えたことはあるのですが、匂いに耐えられそうもないのでやめました。

2度目の錆落しにはハインツを投入。

こっちは優しい匂いがしそうです。
フルーツ酸の錆落しもたくさん売られていますが、日本のバイク乗りでは燐酸使う人ばかりなのは何故でしょう?



結構金掛けてます。

メッキは掛け直し。
純正排気管やダウンチューブ、ステップブラケット、ラジエターのカバーなども総メッキ。

きっと彼の地ではメッキはお安いのでしょう。

しかしギランギランのマフラーは取り外して、あっさりイリーガルエグゾーストシステムアルファレーシングに。

SDR200.comさんからは外装グラフィックスやらエンジンマウントやら仕入れております。

4か月後にどんな状態になるのかは動画でご確認ください。
1週間前くらいに上がった動画のようですが、再生回数12回。
ヤマハSDR200、超人気ないねw

Yamaha SDR200 Restore&Rebuild – Youtube

SDR200にYZ250エンジンが積まれていたら


SDR30周年ミーティングの中でSDR開発者の口から「YZ250のエンジンも検討された」という発言があったそうな。

もしSDRにYZ250エンジンが積まれていたなら、きっともっと売れていたでしょう。
あの頃はバイクブームでニワカライダーが大勢生まれました。
私もその一人で、その原因が250ccクラスの拡充だった訳です。

初のクォーターマルチであるGS250FW。(本当に遅かった。)
そしてそれを追うように(否、追ったんだね)FZ250フェイザー。
TZR250を起点としたレーサーレプリカ群。

車検が無くて保険料が安くて、日本人レーサーが活躍してたり、集合管が付けられたりする。

高速も乗れてツーリングもできる。
なので北海道はニワカで溢れた。(みつばち族)
維持費を気にしないで原チャリ以上の単車が乗れる。これがなきゃきっと単車に手出すことはなかったな

ニワカライダー的には250ccという排気量はとても重要なもので、中途半端な200ccなんて到底受け入れられるものではありません。
50cc分損した気になる。

何とびんぼくさい。


今でもびんぼくさい私は小さい缶コーヒーに手を出すことなぞ有り得ません。


そんな状況ですから営業的にはSDRにも250ccは当然求められたでしょう。
そういった意味からはSDRに250ccなんてのは何の疑問もありませんし、むしろ当然。

とは言え、2st単気筒250ccバイクのレース規格もありませんから、レーサーレプリカに在らずばバイクにあらずという時代では大ブームは起こせなかったでしょう。
でも先駆的にSRX4&6が存在していましたので、同じテイストを持つSDRもそれなりには売れてくれたことでしょう。

で、SDRが売れればどうなるか?

中古車市場にタマが増える。
そして後年に残る車両数も増え、当然手頃な価格で手に入ることになる。
純正非純正を問わず部品も豊富に流通する。

50馬力を超えるようなエンジンだからフレームや足回りも当然剛性の高いものになる。(勿論適正なところまでデチューンされる訳だけどそれでも、ね)

さて、それは果たしてSDRなのだろうか?

YZ250エンジンのSDRが販売された未来。
間違いなく「2stのSRX」と異名されていた筈。

YZ250エンジン積みたかった人はきっとそれが理想だった人なんだろね。

でもね
タマはそこそこ豊富で程度の良い中古車が手に入るそんな未来の私は、きっとYZ80あたりのエンジンを積んで足回りをプアにする計画を立てたことでしょう。
安いから妥協するけど、でもフレームは何とか軽くしてーなーなどとボヤきながら。

結論
SDRにYZエンジン積まれなくて、「本 当 に 良 か っ た !」


SDRにYZエンジン積んだ人 やっちゃいました!
カスタマイズという作業は良いのです。否定しません。


SDR 30周年ミーティングTシャツ

そこかしこで30周年ミーティングの土産話が見られるようになってきました。
行かなかった私なのに記念Tシャツのバックオーダーがあることを目にして注文させていただきました。
Tシャツボディはユナイテッドアスレの5401で、プリント位置は胸か背中か選べます。
5.0oz生地で比較的薄手なので、個人的にはとても好みです。

今月末まで、の募集で、枚数確定したら、金額が確定になります
総数が50枚以下だと1300-1400円ぐらいの予定価格です
(100枚越えれば初回と同じ1100円になる仕組みです)
送料が2枚までは510円(郵政のエクスパック利用)なので
4枚から6枚で1020円になります。

だそうです。
みんなもゲットしようぜ!!
注文数量30枚以下なら作れないそうですから是非物で!!

これさぁ、凄くメンドクサイですよ。
イラレで写真トレースじゃ上手く行かない気がする。
まあトレースでもイライラするくらいメンドクサイし、良く描きました、素晴らしい。

自分でTシャツ作るなら、フレームの線画と思っていたので、完全にシンクロでした。


SDR 30周年ミーティングTシャツバックオーダーサイトhttps://sites.google.com/view/yamaha-sdr-30th-anniversary

It’s time!


さあ今日はSDR200 30thミーティングの日だ。

おまえら準備はできたか?
ガソリンは満タンか?
予備のオイルは持ったか?
整備は万全だろうな?
何たって30年前の単車だ、ちょっとしたことが命取りだぜ。
一応言っておくがおやつは300円までだ。

それじゃ行くぜええぇぇぇぇ!!


まあ俺は行かないんだけど。
人見知りだし
色々事情もあって今単車乗れないし。
あ、色々事情と言ってもお巡りさんには関係ないよ。

それでは皆様、良き出会いをお楽しみください。
土産話も楽しみにしてますよ。

SDR30周年ミーティングにご参加の方へお願い

今週末はSDR30周年ミーティング。
いよいよですね。
開催の為にご尽力された方々、大変お疲れ様です。

さて、このイベントにはヤマハからSDR開発関係者の方もご参加いただけるそうで、恐らく質疑応答の時間もございますでしょう。

ご参加いただく方、是非私の疑問もお尋ねいただけないでしょうか?


ヤマハSDR200は、僅か1年、僅か1万台ばかりの販売車両ではあるが対策部品の投入がなされています。
今の所気付いたのは下記の2点。

1つはステッププレート。

ステッププレート ↑前期 後期↓

一見して同一に見えるステッププレートですが、アンクルサポートのステー部分の肉抜きに違いがあります。これは恐らく対策品。
・以前の投稿 – 2TV ステップブラケット


疑問なのは、これがいつの段階で対策されたのか?ということです。
というのも、手元のどのフレームと合わせるのが正しいのか分からないから。

一体何番台のフレームから変わっているのか?
折角レストアするのだから、後年にまで疑問を残す車体にはしたくないと考えています。

もう1つはチェンジペダルのラバー。

現在も純正部品供給されているパーツですが、出てくるのは後期型の大型で角ばったタイプのもの。
こちらは対策というよりは部品統合ということになるのだと思います。
個人的には小振りな前期型の方が好みです。

折角綺麗な状態で旧部品があるのですから適正に生かしてあげたい。

チェンジペダルラバー ↑前期 後期↓(写真は割れてしまってます。すいません。)

ペダルラバーですが、単に減ってしまっているだけかも知れない。
昔の単車はこうだったよなという印象だけで判断している訳ですが、散々画像検索してもこういう小振りなラバーは中々出てこない。
どうなんだろ?

今現在手元には、フレームナンバー3000番台、4000番台、6000番台、8000番台の4種類があります。
これらのパーツが適合するのはどのフレームなのか?
これが知りたいという訳です。

きっと他にも色々あるのでしょうね。
とても知りたいです。

追加
塗装色シャイニーブラックは何番台からか?
6000番台以降の車両では急激に増えている気がするのでこの辺りからか?とは思いますが。

50年後、100年後のSDRの為に。
そのくらい大切にしたい歴史に残る単車ですよ、こいつは。

SDRフレームメッキの硬度

ヤマハSDR200(以下SDR)に関係した硬度を抜粋。

メッキの硬度を考えた場合、ビッカース硬度やヌーブ硬度では下地硬度に依存してしまうのでモース硬度を選択。
また、JISの鉛筆硬度試験の場合、最高硬度が9Hでモース硬度と比較した場合数値が凡そ半分になる。
となると鉄程度のひっかき硬度しか検討できないため、やはりモース硬度が適当と考えた。

以下モース硬度による比較
錫=1.8
亜鉛=2.5
塗装=2.5(凡そ爪の硬度)
アルミ=2.9
銅=3.0
ニッケル=3.5
ガラスコーティング=4.5(この数値前後)
鉄=4.5
コバルト=5.5
タングステン=7.5
クロム=9.0

モース硬度から見るとSDRフレームのメッキにおいてスズコバ合金メッキが採用されている理由は、装飾的な色味の解決ではなく、物性としての強度を理由とするものと判断できる。

wikipedia コバルト画像
コバルトの単体 – wikipedia
語源は”Kobalos”山の妖精

錫とコバルトの単体色は共に銀白色。
補修の際に錫のみを使用しても表面的な違和感はあまりないだろうと推定できる。
つまりハンダで補修できるだろうということ。

以前説明も何もなく唐突にハンダだけを紹介したことがありますが、まあこういうことです。
以前の投稿 – 鉛フリーハンダ

単にコストだけの問題で選択されたであろうスズコバメッキですが、レストアに於いてこれはとてもありがたい。

ヤマハよくやった!と言いたい。

また、補修範囲が広くなってしまった場合にはverometalという選択肢もあります。
verometalでは銅やら錫やら色々塗れます。
以前の投稿 – verometalなら・・・

と言う訳で、SDRメッキフレームの補修方法としては完全にメッキがやられてしまっている場合を除いて、再メッキでの対応は考えないのが正しい判断と考えています。

だってホームメイドの補修で済むのに高い金使ってやり直す意味って無いやん?


2TV メッキトラスフレーム 1
2TV メッキトラスフレーム 2 – まだ書いてないけど
2TV リヤアーム
各種物質の硬度(モース硬度) – 外部リンク

ヤマハSDR200でチョッパーは凄くイカしてる


うちのブログの読者を調べてみると
35~50歳の男性が100%
孫がいたって全然不思議の無い、もう完全にお爺ちゃんから、せいぜいおっさんという姿が見えた。

今年で30周年を迎えたヤマハSDR200。
年齢からすればこのままでは40周年はおろか35周年をSDR乗りで迎えることも厳しそうだ。

でもご安心ください。
SDRのポジションがきついなら、きつくなくしたらいいじゃない。

SDRのヌードを見たことがある人なら誰でも一度は「これチョッパーにしたら面白くね?」と思ったことがある筈だ。
無いですか?
俺だけ?

いやまあ、やってみなくちゃ始まらない。
で、やってみましたよ。

どうでしょう?
俺的には結構かっこいいなという感想です。


交換したパーツは以下
フラッシャーをヨーロピアンタイプに変更する都合からヘッドライトステーをSRX250の物に。
同形状のヘッドライトステーではあるけれども、フラッシャー取付ステー部分の形状が違っていて、汎用あるいは流用の場合にはSRX250のステーが必須です。

それ以外ではサドルシート。
クロムメッキのリアフェンダー。
これはゼファーかなんかのフロントフェンダーを加工。
テールライトはモンキー。
アルミ製ワンオフフォワードステップ。
エアクリーナーを収める場所がなくなってしまったのでパワーフィルター。
バッテリー収める場所がないのでバッテリーレスに。
フューエルタンクはダミーとして、前側にフューエルタンク、後ろにオイルタンクを格納。

それ以外は何一つSDR200から変更していない。
ポジションが変わった関係から多少重心が下がっているだろうけれども、車重もほぼ変化なく走りはSDRそのままの筈。

走らせられるチョッパーですよ。

かなり現実感のあるカスタマイズだし、チョッパーっていらないパーツを剥ぎ取ってシンプルにする改造だし、スリムな車体は必須だからSDRのトラスフレームはピッタリ。

生まれながらにカスタムなSDRのメッキフレームもここぞとばかり映える。


さあどうだ。
これならおっさんでも爺さんでもSDR行けるでしょ。
40周年目指せますね。

後いじるとしたら、フロントフォークを左右入れ替え。
ブレーキキャリパーをクラシックにフロントに置いて、左配置にする。
この場合のフロントホイールはRZ250R(3HM)ですね。


ベルギーの老舗帽子ブランドHERMAN

2TV オイルタンク

Photos later

部品番号/2TV-21751-00
部品名称/タンク,オイル
販売価格/販売終了
製造元/不明
タンクキャップ(14T-21770-00)とアッセンブリでヤフオク100円~

Photos later

部品番号/5G7-82121-00
部品名称/パツド,バツテリ
販売価格/173円(税込)
製造元/不明
5G7-82121-00.PDF
65 x 65mm(t3mm) ウレタンスポンジ/グレー色

Photos later

部品番号/14T-21770-00
部品名称/オイルタンクキヤツプアセンブリ
販売価格/販売終了
製造元/不明
TZR125(2RH)、TZR250(1KT)、他ジョグ、ベルーガ50(80)、アクティブ、サリアンなど80年代スクーターと共通。

Photos later

部品番号/2TV-21781-00
部品名称/エンブレム 1
販売価格/販売終了
製造元/不明

Photos later

部品番号/90119-06061
部品名称/ボルト,ウイズワツシヤ
販売価格/103円(税込)
製造元/不明
このワッシャ付ボルトはトヨタと共通らしい。
偶々偶然かとも思ったけれども他にも共通部番がありましたから、きっと統合で間違いないのでしょう。
但し、表面処理などの仕上げは違っているかも知れません。
これじゃないボルトの場合はユニクロと黒色クロメートの違いがあった記憶があります。
M6 x

SDR(Special Drawing Rights) 特別引出権 & (Software Defined Radio)ソフトウェアラジオ

googleさんでSDRを検索すると真っ先に出てくるのが、
特別引出権 – Special Drawing Rights。

国際通貨基金(IMF)に加盟する国が持つ資金引出し権、及びその単位である。ISO 4217における通貨コードはXDRである。

何の事だかまったく分からない謎のスペル。

次がSDR受信機。
Software Defined Radio – ソフトウェアラジオ。

これがそうらしい。

DVB-T+DAB+FM USB チューナー RTL2832U+R820T

なんでこんなことを書いているかと言うと、SDRで検索して53件目までSDR(ヤマハSDR200のことね)が出てこないから。
SDRの検索結果として、ヤマハSDR200が出てこないのは納得いかんでしょ?

特別引出権だのソフトウェアラジオだのを調べたくて”SDR”なんてキーワード検索をしている人間がいったいどれだけ居るものか。
そんなことを考えるのは不遜な単車乗りだけなのだろうか?

見よ、これが今年30周年を迎えるSDRだ。

メーカー ヤマハ発動機
車体型式 2TV
エンジン 195cm3 水冷単気筒2ストローク
内径x行程 / 圧縮比 66mm x 57mm / 5.9:1
最高出力 34ps/9000rpm
最大トルク 2.8kg-m/8000rpm
乾燥重量 105kg
製造国 日本
製造期間 1987年1988年
フレーム 鋼管ダブルクレードルフレーム
全長x全幅x全高 1945mm x 680mm x 1005mm
ホイールベース 1335mm
最低地上高 160mm
シート高 770mm
燃料供給装置 キャブレター (ミクニ TM28SS フラットバルブキャブ)
始動方式 キックスターター
潤滑方式 分離給油
駆動方式 チェーン
タカサゴRK428SH0 132コマ(コマ詰要)
江沼EKチェーン 520SRX2 132L
変速機 ドグクラッチ式シーケンシャルトランスミッション6速
1次減速歯数 51/18
1次減速比 2.833
2次減速歯数 43/16
2次減速比 2.687
サスペンション テレスコピック
モノクロス
キャスター / トレール 25.5° / 91mm
ブレーキ 油圧シングルディスクブレーキ
油圧シングルディスクブレーキ
タイヤサイズ 90/80-17 46S ダンロップ K730
代替 90/80-17M/C 46S TL ダンロップ K275
代替 90/80-17 MC 46S ダンロップ TT900GP
110/80-17 57S ダンロップ K730
代替 110/80-17 MC 57H ダンロップ TT900GP(フロント用)
ホイールサイズ 17 – 2.15(SRX250共通)
17 – 2.50(TZR250、FZR250、SRX250共通)
最高速度 140km/h
乗車定員 1人
燃料タンク容量 9.5L
燃費 58km/L
カラーバリエーション アップルレッド・メルティンググリーン・シャイニーブラック
本体価格 379,000円
デザイナー 株式会社GKインダストリアルデザイン研究所(現株式会社GKダイナミックス)
グッドデザイン賞 1987年度 商品デザイン部門受賞(受賞番号62M0991)

生誕30年。
やっと大人の仲間入りした若造ですね。


これもSDRと呼ばれているそうです。
KTM 1290 Super Duke R
流石にこっちには負けないだろうな。

2TV ヘッドライトステー


部品番号/2TV-23174-00
部品名称/ステー,ヘツドライト
販売価格/販売終了
製造元/不明

前回は亜鉛メッキのことを書きましたが、これを書かないとSDRのメッキフレーム2に話を進められないんで続きを書きますね。
今回はヘッドライトステーの話です。

SDR200のヘッドライトステーはスチール製の丸棒と鋼板を曲げて溶接して組み上げています。
そしてそれにクロームメッキを掛けた非常にSDRらしい部品です。

SRX250のものと非常に良く似ていて、というよりもフラッシャー(ターンシグナル・ウインカー)を取り付けるブラケット部分以外は同一ですので、もしSDRのフラッシャーを社外品などに換えたい場合にはSRX250のライトステーを使った方が何かと楽です。




写真部分もよく錆びてる箇所です。このステーはもう奇跡の1本です。

しかしこのライトステーが又、よく錆びて泣かされます。
私も20本ほども入手して、錆びてなかったのは1本だけ。
錆びてないのがあったら、それはもう奇跡の1本てことです。

何故こんなことになってしまうのか?
まずはクロームメッキについておさらいをして参りましょう。

クロームメッキと言うのは機能メッキであり装飾メッキです。
フロントフォークのインナーチューブに掛けられたクロームメッキは機能メッキ。
硬い皮膜が必要故に為されたメッキです。

機能メッキ故に、クロームメッキのスタンダードな掛け方をされていて
1 銅メッキを掛ける
2 ニッケルメッキを掛ける
3 クロームメッキを掛ける(2度掛けのダブルメッキが最上)
となっています。


それでは装飾メッキとしてのクロームメッキはと言うと。
1工程の銅メッキは省略です。
これはまだ良い方。
2のニッケルメッキも省略。
もう完全に見た目だけのメッキです。

クロームメッキって錆に強い印象がありますけど、そんなことありません。
電気メッキ故、通電の際のごくごく小さな穴が開きますから、そこから錆びます。
インナーチューブに点錆が発生するのはその為です。
手入れには昔も今も油分補給が必須です。


SDRのヘッドライトステーはどんなメッキでしょうか?

磨き込んでいっても黄色いメッキ地が出てきませんから、恐らくはクロームメッキの1度掛け。
単なる装飾メッキと言えます。

黄色いメッキ地と言いましたが、ニッケルメッキは黄色いのです。
新品の500円玉は黄色いでしょ?
あの色です。

以前、どこかのブログで読んだ記憶があるのですが、SDRフレームの錆を落として磨き込んでいくと黄色いメッキが出てくる。
その方は、その黄色いのがスズメッキと誤解されていました。

SDRフレームのメッキについては別稿に譲りますので、ここでは説明しませんが、違いますということです。


付き回りの悪い、手間の掛かる、面倒くさい、よって料金もお高いというメッキがクロームメッキですから、本来は容易に手を出してはいけないものなんだと思いますが、やってしまった。
これがヤマハの第一の失敗。

次の失敗が鋼板部です。

シートレールを見ると分かるんですけど、錆の発生する部位って限られているんですね。
まずは溶接部。
凄く錆びやすい。
次は丸パイプのシートレール本体。
一見荒れなく綺麗に見えても、塗装を剥ぐと一面綺麗に錆びてます。
位置的に水は掛かるわ泥は貯まるわ乾燥しにくいわで、これって設計ミスなんじゃないの?て部分です。

そして最も錆びにくいのが鋼板部です。

この鋼板は亜鉛メッキ鋼板です。
だから錆びにくい。
塗装なら良いのです。
しかしライトステーはクロームメッキ。

前回亜鉛メッキで説明した通り鉄より卑故に先に錆びて鉄部を守るのが亜鉛メッキですから、クロームメッキを通過して亜鉛メッキを錆びさせてしまったらどうなるか?

酸化被膜となった亜鉛メッキがクロームメッキ皮膜を破壊してしまう。
破壊されたクロームメッキは亜鉛メッキのような自己修復機能を持っていませんから剥がれるだけ。

もし、ニッケルメッキが間にあればもう少し違ったかも知れません。
亜鉛メッキやニッケルメッキが良く使われるのは、付き回りが良く、手間が掛からず、機能的で、結果安いから。

写真にある良品ステーであっても、プレート部分のメッキは掛かりが悪く艶が少ない状態。
複雑に入り組んだ部分なので付き回りの悪さを露呈しています。
ヤマハ第一の失敗がここで出ていて、要は品質管理がかなりずさんと言えちゃう訳です。

上写真/ステー部分にメッキの黒ずみがあります。錆でも汚れでもないようです。

参) ・亜鉛メッキ ・2TV フレーム ・2TV リヤアーム

で、どうする?
て話ですけど、まずはメッキ屋さんで剥離をお願いして亜鉛メッキまで綺麗さっぱりと落としてしまいます。

ここで一旦引き取り。
鏡面まで磨き上げたら又メッキ屋さんに持ち込んで銅メッキ、ニッケルメッキ、クロームメッキと掛けてもらう。

鏡面まで磨くのはとても大切なことです。

塗装なら足付けの為に敢えて荒らしたりしますけど、メッキですからそんなことはしない方が良い。
下地がそのままメッキの仕上がりに影響しますし、鉄であっても磨き込んでいると錆びにくくなりますね。

予算が無ければニッケルメッキ仕上げにしても良いかもね。