sdr200のブレーキチューン 2


83mm取付ピッチのヤマハ純正異径4potキャリパーのシングルユースはデチューンだと結論付けましたが、自分自身まだ納得が行っていない。

最初の頃見たどのサイトでも、キャリパーピストン径をノーマルのシングル2potと比較して、「ほらこんなに大きくなったんだからブレーキ強化になるんだよ」と教えてくれた。

確かにそうだな。
納得したぞ。

4potキャリパー使用者は、現実に使用して検証している訳で、疑うべき合理的理由など存在しないのであります。

2potより4potというのは、2輪でも4輪でも当然のお話であって、今更何を疑えと言うの?て話なのであります。

言ってみれば常識なのであります。


しかし、車重から考えた時には
ヤマハ純正異径4potキャリパーも純正2potキャリパーも、制動力に関しては殆ど性能差が無く、4potのシングルユースでは性能半分。

即ち、制動力半分。

つまりは、止まれなくするための恐ろしいデチューンであることは間違いない。
事故やったら確実に保険金は下りない。
軽量級の人ならまだしも、重さに自信ある人なら、、、すげぇ怖い。

でもやっぱり俺間違ってんの?
SDR200のブレーキチューン
でキャリパー何使う?
2TV ブレーキローター


“常識を疑え”は弊社(バイク屋じゃないぞ)創業時からの社是。
ちゃんと名刺にも入れてます。
そもそも常識なんてもんは、誰かにとって都合の良いことでしかないのであるって話です。

前提条件が間違っていれば当然結論も間違えます。
疑問はちゃんと解決しなければなりません。


と、答えはすぐに出ました。単純です。 – クーロンの摩擦法則

曰く
(1) 摩擦力が垂直荷重に比例すること
(2) 摩擦力が見かけの接触面積によらないこと
(3) 最大静止摩擦力が動摩擦力よりも大きいこと(従って、動かし始める力に比べて動かし続ける力は小さくて済む)
(4) 動摩擦力は速度によらず一定であること

これは高校の物理で学習する内容らしいのですが、うちの高校では多分物理の授業なんて無かった筈なので、今知りました。

要約すれば、「4potピストンの面積と、2potピストンの面積とを比較して、大きいから制動力が上がるなんてことはねーよ。」と言うことです。

SDR200、SRX250やTZR125のブレーキチューンとして、ヤマハ純正Wディスク用取付ピッチ83mmの4potキャリパー(3XCや3MA、3XV、3LNなど)を使用している方。
まあ自己責任だとは思いますけど、事故責任もお願いします。

確実なブレーキチューンとは(制動力に関してのみ)


1 ブレーキローターを大きくする。
2 極力ブレーキローターの外側で摩擦させる。
3 現状のノーマルパーツより軽いものを選ぶ。
4 軽くてもゴツイ(剛性の高い)ものを選ぶ。
5 ブレーキローターは厚いほど偉い。(振れにくい)
6 パッドが必要とする適正温度を使用者の常用温度域と合致させる。
7 パッドは大きい方が摩擦熱的に安定する(熱ダレしにくい)


参) 機械工学便覧 摩擦係数一覧 – 中ほどより下にあります

上記を踏まえると、同クラス車両に使用される片押し2potと両押し4potが一番パッド面積を稼げるか?と思いきや、片押し1pot及び両押し2potと比較した時、ピストンサイズは小さくなるので圧倒的な差は生じない、よってさほど熱ダレ対策に効果は見られない。

片押し1pot及び両押し2potより、片押し2pot両押し4potでは共にローターの外側に配置できるため有効径は大きくなる。

後は1KTの大径ローターとWディスクではどっちが良いか?という話になりますが、ローター厚を薄くせざるを得ないWディスクと厚さを稼げるシングルディスクでは剛性感に違いが出る。
但し、摩擦熱の少なさではWディスクの方が上。
重量的には計測検証が必要ですが、多分Wの方が重い。

足回り変えずにブレーキの流用チューンは無理みたいですね。
そもそも俺には必要無さそう。

結論
やっぱりメーカーは凄い。

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